第3話では、自転車通勤によって“お金の差”がどれほど大きいかを実感した話をしました。
今回はその続き。お金だけでなく、実は身体や生活習慣にも大きな変化が現れたんです。
【ハムスターから始まった挑戦。ズボンが語る、体の静かな革命】
自転車通勤を考えた当初、正直いちばん不安だったのが「体力」でした。
なにせ、片道「約1時間強」、往復で「38キロ」。
――そうです、“自転車で”。クルマじゃありません(笑)
車通勤でも遠く感じる距離。
それをペダルで毎日こぐなんて、正直、自分でも「何を血迷ったんだ?」とツッコミを入れたくなるレベルでした。
もちろん、いきなり走れるわけがありません。
実はそれまで、運動という運動はほぼゼロ。
たまにジムには行ってましたが、筋トレばっかりで走る系は苦手。
エアロバイクやランニングマシーンは「ハムスターの回し車」にしか見えなくて、避けて通ってたんです(笑)

でも本気で通勤に使うつもりなら、そうも言ってられない。
そこで「まずはジムのエアロバイクで1時間20km走れるようにしよう」と目標設定。
1ヶ月ほど漕ぎ続け、目標には届かずとも“手応え”はつかめてきました。
そしてある休日、思いきって実際のルートを走ってみたところ――
ちゃんと会社にたどり着けたんです。
「これは行ける」と確信して、翌週から本格的な自転車通勤がスタートしました。
その後、毎日自転車に乗り続けていると、少しずつ体が慣れてきたのがわかりました。
いや、正確には――「階段で息切れしなくなった自分に感動した」のが最初の気づきです。
もちろん今でも息は上がります。でも、回復するまでの時間が圧倒的に短くなったんです。
ふと鏡を見れば、モモやふくらはぎの筋肉がキュッと引き締まっていたり。
気づけばパンツ(ズボン)はぶかぶかに。いつの間にか上半身もシャープに。
体重計より、スーツやズボンのフィット感の変化の方がよほど分かりやすかったですね。
「行かなくても鍛えられるジム」がここにあった
しかもこれ、全部“通勤”だけで手に入った成果なんです。
ジムは即解約。そのぶんコストはまるっとカット。
しかもジムに通っていた時間は、そのまま通勤時間に吸収。(厳密にはプラス15~20分)
それなのに、ジムよりも圧倒的に体が引き締まっている実感があるんです。
以前のジム通いは「今日はちょっと…」が週3で発動。(ジムあるある)
でも通勤はサボれません。会社に行く限り、体は動かざるを得ないのです。
いわば運動の“強制力”が働くルーティンになったんですね。
【まとめ】目的から“手段”へ――体力が勝手についてくる日常に
この「やらざるを得ない」通勤ルール、最初はどこか我慢のように感じていました。
でも不思議なことに、意識は自然と
「どうすれば効率よく“トレーニング(=通勤)”できるか?」
へと変化していったんです。

- 信号待ちが少ない道は?
- 風の影響が少ないルートは?
- もう少しだけ楽で速い走り方は?
そんな工夫を重ねるうちに、
「車通勤より10分遅いくらいで着く」というのが、新たな目標になっていました。
気づけば――
コスパ(お金)だけでなく、タイパ(時間)までも手に入れていたんです。
そして何より大きな収穫だったのは、
体力が“目的”ではなく、“通勤の手段”として自然についてきたこと。
筋トレしなきゃ、と考えていた頃とはまるで違う。
今では、通勤していれば勝手に体が変わる。そんな日常に変わっていました。
【次回予告】
体力をつける過程で、思いもよらぬ生活の変化も…。次回【第5話】では、体力アップの裏側で起きた“食事”の変化を深掘りします。
「食べること=燃料補給」になった、50代の新ルーティンとは?